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2012/02/01

熊本・鹿児島旅行記三日目|人吉→吉松→霧島温泉。


 2012年1月7日。昨日に引き続き6時に起床して、誰もいないキッチンへ。山鹿のタオ珈琲で自称「日本一」のアップルパイを買っておいたのだけれど、食べてみたらミートパイだった。サプライズ。奥にあるのはブルーベリーのベーグル。こちらは熊本のパン屋で購入。


 7時半に宿を出る。宿のかたから、「ご縁がありますように」と、5円玉のストラップをいただいた。粋だね。


 熊本駅から、特急くまがわで人吉まで一気に南下する。日本三大急流の一つであるらしい「球磨川(くまがわ)」に沿って走る車内から望む景色は素晴らしい。
 山の中にひっそり佇む家々はなぜかしら懐かしい気持ちを呼び起こし、「(自分がここでずっと暮らせって言われたらちょっと嫌だけれど、)こんな生活がずっと残っていてくれたら(旅行中にちょっと立ち寄るぶんには)良いなぁ」と思った。








 10時過ぎに人吉駅に到着。駅からすぐの国宝青井阿蘇神社へ。目立った装飾があるわけでもないけれど、端正な立ち姿が美しい。抜けるような青い空を背景に、渋みのある木材の色が映える。


 東へ歩いて10分ほどの加治屋町通りは、古い町並みが残っていて面白い。鍛冶場や醤油工場を見学して歩く、鍛冶屋の軒先で包丁が売られている姿はなんだかとても良いなぁと。
 あたりを散策していると、おばちゃんに郵便局の場所を聞かれる。とっさに「わかりません」と答えようとしたけれど、さっき通りがかったことを思い出し、場所を案内する。たとえ見知らぬ土地でも、自分にできることはあるものだ。


 昼ごはんは創業100年「上村うなぎ屋」でうなぎをいただく。老舗らしく席の下には火鉢が。注文を受けてからさばいて焼くといううなぎは、香ばしくて歯ごたえがある。


 駅に戻る道すがら、通りがかった芳野旅館の玄関先に足湯があったので、いそいそと靴を脱いでいると、ちょうど女将さんが表に現れ、タオルを貸してくれた。客ではないうさん臭い旅人にもこのおもてなしなのだから、宿泊客に対するそれはいかばかりであろうか。
 ちなみにこの足湯は源泉かけ流しらしく、ものすごく熱い。


 13時。人吉駅に戻って、黒糖ボーロを食べながら電車を待つ。


 そして観光列車「いさぶろう」に乗車する。駅ごとに停車時間が用意され、また線路上の眺望が良い場所でもまた停車するなど、サービス精神に溢れる電車だ。







 15時前に吉松駅につくと、観光列車をハシゴ。特急「はやとの風」で霧島温泉駅へ。


 霧島温泉駅に、少し傾いた日が差し込む。



 霧島温泉駅から、温泉街まではバスで移動する。乗客は6~7人ほど。30分ほど走った塩湯温泉バス停で下車し、自称霧島温泉駅唯一の民宿「民宿みちや荘」へ。




 みちや荘には、民宿に求められる全てがあった。畳に浴衣、風呂とおばちゃん、そして何よりうまい飯。夕飯は、地鶏のたたき、おでん、魚のかま焼きなどなど。素泊まりにするか悩んだけれど、食事付きにして本当によかった。


 三日目おしまい。