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2012/02/05

熊本・鹿児島旅行記四日目|鹿児島と桜島。


 2012年1月8日。民宿みちや荘の朝食は7時半。昨日の夕飯により食事への期待値が急上昇してしまったため、ややトーンダウンしてしまった感は否めないが、十分おいしい。


 霧島温泉から鹿児島中央駅を目指すルートは幾つかあり、時間帯や曜日に応じてそれらのどれかを選ぶ必要がある。前日に観光協会で相談し、親切に教えてもらった結果、バスで国分駅まで行き、そこから電車で鹿児島中央駅に向かうことにした。地元の人は鹿児島中央駅を「中央」と呼ぶらしい。(中央駅とは別に、鹿児島駅がある)
 朝食後のんびりと朝風呂に入っていたら、いつの間にかバスの時間が迫っていたため、慌てて荷物をまとめてバス停へ。小学校低学年の子供を連れた家族四人と、青春18きっぷで巡る云々というガイドブックを持った40代くらいの女性二人組がバスを待っていた。


 家族連れのパパはカメラを片手に、子どもたちの注意をカメラに向けさせようと何度も呼びかけていた。カメラを意識していない子どもを撮ったほうがずっと良い写真になるだろうなぁと思ったけれど、パパもきっと一人旅で植物を撮っているようなやつに言われたくはないだろう。


 バスはのんびり1時間をかけて、国分駅へ。途中で霧島神宮を通るけれど、今回は見送り。
 国分駅からは各駅停車で鹿児島中央駅へ。振り返ってみればこの旅行中初めての鈍行列車。観光列車や特急列車で感じる非日常も良いけれど、日常に溶けこむような各駅停車もまた良いものだ。
 桜島を眺めながら電車に揺られ、11時に鹿児島中央駅へ到着。鹿児島での宿は「鹿児島リトルアジア」。


 個室は一泊2,500円。熊本のゲストハウスが良かったので期待していたけれど、値段相応の設備とスタッフのクオリティ。少し奮発して「ホテルガストフ」にしておけばよかったかなと少し後悔。奮発しても一泊5,250円だけど。


 昼ごはんは「鹿児島ラーメン豚とろ」へ。人気店らしく、まだ11時過ぎにもかかわらず、空いている席はほとんどなかった。


 鹿児島中央駅前の広大なバスターミナルからバスに乗り、「仙巌園」へ向かう。仙巌園は江戸時代に島津光久によって築園され、桜島を借景にするという、利子の支払いだけで首が回らなくなりそうな雄大な景色が見物。


 仙巌園から桜島を眺めるにあたって最高の場所は、集仙台跡を置いて他にはないだろう。園内の奥まった場所にある階段を20分以上登った小高い場所にある集仙台跡から、桜島と錦江湾を一望し、湾に沿って走る列車のカタンコトンという音に耳を傾ける。そこにいたのがカップルと僕の3人だけでやや気まずかった点を差し引いても、とても気持の良いものだった。
 浮世の憂さを忘れさせてくれる景色を見たのち、園内で売っている薩摩切子の値札を見て現実世界へ無事に帰還。仙巌園を出てすぐ隣りの尚古集成館へ寄る。展示には一切興味は持てなかったけれど、直線的でモノトーンの建物が洗練された佇まいでとても良い。


 尚古集成館を出て、歩いてすぐの異人館へ。外国から招いた技師たちを住まわせるために建てられた宿舎。日本人の大工が普請したため、ドアの把手が低い位置(襖と同じで、座って開けることを想定)にあるなどの作りが面白い。


 バスでフェリーターミナルへ行き、存分に眺めた桜島に上陸する。鹿児島湾からのフェリーは料金が700円~800円くらいするかと想定していたけれど、まさかの片道150円。しかも24時間運行。観光フェリーではなく、市民の足という位置づけなのだろうか。
 15分で桜島に到着。桜島港を降りてすぐに「レンタサイクル」の文字を見つけ、自転車で桜島一周も頭をよぎったけれど、一人で35~36キロを走ってても虚しくなりそうだったので断念。友人と来る機会があれば是非やってみたいと思う。


 歩いてすぐの道の駅「火の島めぐみ館」へ。桜島みかんソフトクリームを食べながら店内を物色したのち、早々に桜島港に戻る。途中、道端の無人販売所で桜島みかんが売っていたので、缶に100円玉を放り込み、一袋購入。小ぶりなみかんを食べ、船内のテレビで大相撲を観ながら鹿児島港へ。


 晩御飯は「とんかつ川久」へ。18時前に行ったのにもう2組ほど外で並んでいた。普段なら行列には絶対に並ばないけれど、旅先ということで並んで待つ。20分ほどで店内へ。
 上ロースかつ定食を注文。揚がるまで20分ほどかかるというので、店内をボーっと眺める。
 のんびりとした人の良さそうなオヤジさんがホールをゆったりと切り盛りし、僕に一杯目のお茶を出すのを忘れたまま、お茶のおかわりを薦めてくれた。ほのぼのとして良い雰囲気だ。成人式帰りの家族が和気あいあいと思い出話をしている光景も、地元で愛されているようでとても良い。
 とんかつは分厚くて柔らかくて美味しい。間違って脂身のところを写真に撮ってしまったのが悔やまれる。


 鹿児島のデザートといえば白熊。ということで、「本家」らしい「天文館むじゃき」にて白熊を食す。Sサイズにしたのだけれど、無性にデカい。氷の隅々までミルクが染みわたり、何種類ものフルーツやゼリーが周囲に(底にも)散りばめられている。コンビニで売っているカップに入った白熊とは別次元の食べ物だった。
 体温は根こそぎ奪われるけれど、大満足の味と量。
 寒さに震えながら宿に帰る。

 4日目おしまい。